いつも側で君を感じるから。
相変わらず足の踏み場もない、ゴタついてる部屋に入ると、大河がベッドの上にゴロンと寝転がった。
「あーあ、さっきまでここで楽しいことして気分良かったのに」
「誰とだよ」
「…気になる?」
大河がニヤリと笑う。
俺は大河に覆いかぶさって胸倉を掴んだ。
「答えろよ!」
「えー、なにこの体勢。俺そういう趣味ないよ?」
「ムカつくんだよてめぇ、カラオケんときも煽ってきやがって」
「煽る?お前もりーちゃんのこと好きとか?」
大河を掴む手が思わず緩んだ。
それを感じたらしく、「素直だなー新くんは」と笑いやがった。
「んなことはどうでもいい、りりのことはちゃんと家まで送ったんだろーな」
「送ったよ、公園でデートした後に」
「あ?デート?」
「つーかさ、俺も聞きたいことあんだよね。なんであの女といまだに切れてねーの?」
「……切れてるよ、とっくに」