いつも側で君を感じるから。
新くんのキモチ
*
どうしてあの日、八雲さんに送ってもらっちゃったんだろう。
私のバカバカバカ!
一人で帰ってくることだってできたのに…。
目を瞑ると、あのキスが蘇ってきて、胸が痛すぎる。
何の感情もない、冷たいキス。
あれが初めてのキスになるなんて、八雲さん…ひどいよ。
*
季節は秋から冬へと移り変わって行った。
一応受験生という事もあり、みんなと会う回数が前よりも減っていた。
でも逆に良かったかもしれない。
あの日から、新くんとうまく話せずにいるから。
八雲さんとキスしたことを新くんは知らないと思うけど、なぜか気まずくて避けてしまっていた。
笑う場面でも、心の底から笑えなくなっていて…。
ずっとこのままなのかなって思ったら辛くて涙が溢れた。