いつも側で君を感じるから。
雪は降っていなかったが、耳が痛くなりそうな寒さだ。
「これマジ雪降んじゃね?」
「うん、降りそう…」
「大丈夫?やめとく?」
「え!やめない!」
やめるわけないよ、こんなチャンス二度とないかもしれないのにっ。
寒さなんかに負けるもんかー!
新くんは私の方を見て微笑んだ。
「てか…手袋ねーの?」
「あ!部屋に置いてきた…取りにい…」
踵を返そうとしたら、手首を掴まれた。
「え…」
「片手だけだけど、なんもないよりマシっしょ?」
そう言って私の手を、新くんのコートのポケットに入れてくれた。
う、嘘でしょう…。
だって手を……つないだままなんですけど。
ポケットの中で、私達は恋人繋ぎになっていた。
ポケットがないコートを着てきてよかった!と心の中でガッツポーズをした。
「あ、嫌だった?」
「ううん…暖かい…」
緊張して手汗かきそうだ。
さっきまですっごい寒いと思っていたのに、一気に体が熱くなっていく。