いつも側で君を感じるから。


「でしょ?人の体温ってすげーよな」

「うんっ…」


どうしよ、幸せすぎてヤバイ。

私が氷だったら完全に溶けているだろう。

神社に着くと、大勢の人達が参拝に来ていた。

「うわーすごい長蛇の列!」

鳥居の外の階段まで並んでいる。

「せっかく来たんだし、並ぶ?」

「うん!」


新くんと元朝参りなんて、今年は良い年になれそうだもん!

ポケットの中で手が繋がれたままだから、周りから見たら私達はカップルに見えるのかな…。


「あ、腹減んねー?なんか買ってくるから並んでて?」

突然新くんが手を離した。

ちょっと残念…って思いながら「よろしくねー」と手を振ってみる。

はぁードキドキした。

まさか手を繋いでくれるなんて…ただ温めてくれただけなんだろうけど。

私は少し熱くなった自分の手を頬にくっつけた。


しばらくすると、新くんが戻ってきた。

手にはたい焼きと紙コップを持って。
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