いつも側で君を感じるから。


特に今日はよく笑ってくれる気がする。

「ねぇ、あのたい焼き食べてる子かっこいくない?」
「笑顔かわいいっ」

すれ違う女の子たちの声が聞こえる。

誰だって思うよね…。

やっぱりモテるんだろうなー…。


「あれ……」

その時、横を通り過ぎた二人組が私達に声を掛けた。

同年代くらいの男女だけど…カップルかな?

よく見ても知らない人だけど。


「みなみ!?」

新くんの声に、ドキンと心臓が大きく揺れた。

〝みなみ〟って…。

もう一度顔を見ると、女の子も驚いた表情で新くんを見つめている。

このひとがあの…みなみさん!?

くりっとした瞳に、ボブヘアがよく似合うオシャレな女の子だった。

どうしよう、こんなところで会うなんて。

しかも想像以上に可愛い。


「紺野も久々じゃん」

紺野と呼ばれた男の子も新くんを見て「たい焼き食ってるしっ」と笑っている。

でもどこかぎこちないというか、気まずい雰囲気が流れる。

だよね、みなみさんと新くんは付き合ってたし、この紺野って人は……みなみさんの新しい彼氏とか?
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