いつも側で君を感じるから。



「てか…りりおもしろっ!」

突然新くんが吹き出した。

「え?」

「必死にもぐもぐ食ってるし、なんか動物みてぇ」

手元を見ると、ほとんどたい焼きがなくなっている。

考え事しながら無心で食べてたんだ!

こんな時に恥ずかしい!

「腹減ってたんだろ?俺のもやるから。ゆっくり食えよ」

食い意地張ってるって思われたかな、恥ずかしい!

でも新くんが笑顔になってくれたから良かったのかな……?

あんな顔、もう見たくないもん。

1時間近く並び、ようやく私達の番がやってきた。

新くんと一緒なら長時間並んでも苦にならないけど。

お賽銭箱にお金を入れて一礼した。

隣にいる新くんの綺麗な一礼に驚いた。

そういうところはしっかりやるんだな…。

えーっとお願い事は…。

みんなと同じ高校に入って楽しく過ごせますように。

あと…新くんが幸せになれますように。

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