いつも側で君を感じるから。
嘘…新くんが私の事を抱きしめている。
暖かくて大好きな香り。
涙が止まらなくて、私は新くんの胸の中で静かに泣いた。
「やっぱ…側にいなきゃ守れねーことだってあるよな」
独り言のように呟いて、私を抱きしめる力を強める。
「新…くん?」
ヤバイ、泣きまくったから声がガラガラで変だ…。
「あのさ…。友達以上になりたいんだけど」
「え…?」
しばらく黙ったままの新くん。
その表情を見ることはできない。
でも今、自分の顔を見られたくなかったから、抱きしめられててちょうど良かったと思った。
「りりの彼氏になっていい?」
驚いて言葉が出なかった。
か、彼氏!?
今、彼氏って…。
「急にわりぃ。本当は言わないつもりだったけど、やっぱ我慢できねーわ」
ハハッと軽く笑った新くん。
本当に…?