いつも側で君を感じるから。


嘘…新くんが私の事を抱きしめている。

暖かくて大好きな香り。

涙が止まらなくて、私は新くんの胸の中で静かに泣いた。

「やっぱ…側にいなきゃ守れねーことだってあるよな」

独り言のように呟いて、私を抱きしめる力を強める。

「新…くん?」

ヤバイ、泣きまくったから声がガラガラで変だ…。


「あのさ…。友達以上になりたいんだけど」

「え…?」

しばらく黙ったままの新くん。

その表情を見ることはできない。

でも今、自分の顔を見られたくなかったから、抱きしめられててちょうど良かったと思った。


「りりの彼氏になっていい?」

驚いて言葉が出なかった。

か、彼氏!?

今、彼氏って…。


「急にわりぃ。本当は言わないつもりだったけど、やっぱ我慢できねーわ」

ハハッと軽く笑った新くん。

本当に…?

< 152 / 274 >

この作品をシェア

pagetop