いつも側で君を感じるから。


「クリスマスプレゼント渡しそびれた」

私の手のひらに、可愛いヘアゴムが置かれた。

「えっ可愛い!」

ベロアのリボンが冬っぽくて素敵だ。

新くん、私のために選んでくれたの?

「こんなもんでわるいけど…店の前にあって、りりに似合いそうだったから」

「ううん!すっごい嬉しいよ!ありがとうーっ!私なんて何も用意してないのに…ごめんね」

「いや、もうもらったし」

「え?なんだっけ?」

新くんが私の唇に人差し指をくっつけた。

あ……キス…。

思わず顔が赤くなり、それを見た新くんが柔らかく笑った。

「もう一回もらってもいい?」

「え!?」

「何回しても足りねーからキリないけど」

返事する前に、私の頬に新くんの鼻がくっついた。

「この雪見だいふくみたいな頬っぺた食いたかった」

耳元でささやかれたのでゾクッとした。

「ちょっ…ひどっ!」

「可愛いってことだよ」

そう言って私の頬を甘噛みした。

私は硬直したまま身動きが取れなくて。

本当に大好き…。

好きすぎて胸が苦しくなるくらいだった。

私、彼女になれたんだよね…。


今日の事は一生忘れない。


< 155 / 274 >

この作品をシェア

pagetop