いつも側で君を感じるから。
繋がれた手が熱い。
今、新くんと手を繋いでるんだ、そう思うと緊張して震えてしまう。
でも隣にいる新くんは無言のままだ。
下校途中の生徒たちにはチラチラ見られているし、恥ずかしい。
その時突然、「うぜぇ…」と独り言のように呟かれた。
「え!?何が?」
私の方を見た新くんの表情は、少し照れているようにも見える。
「自分がうぜーわ。大和がりりに触ろうとしてたじゃん?あれムカついた」
「そうなんだ…」
どうしよう、嬉しくて顔がニヤケそうだ。
「俺ってガキじゃね?」
「そんなことないよ!私は嬉しいし…」
でも〝嬉しい〟って言葉使うのは、変だったかな。
すると新くんが体をすり寄せてきた。
新くんの柔らかい髪からシャンプーの香りがした。
人前でこんなことする人とは思わなかったからびっくりで。
「あ~。大和がりりと同じクラスって嫌なんだけど」
「え!?あ…でも私、大和くんと二人っきりとかにはなんないし」
「そういう問題じゃない。卒業まですげーなげー」
ぴったりとくっついてくるから歩きにくいけど、新くんの体温を感じられてすごく嬉しいな…。