いつも側で君を感じるから。


リビングに行くと、お母さんが誰かと電話をしていた。

話の内容からしてお父さんっぽい。

「あ、今下りてきたから代わるわ」

お母さんが私に「お父さんから」と言って受話器を渡した。

「お父さん?梨々花だけど…」

『おお、久しぶりだな!最近電話かけてもお前いないから』

「うん…ごめん」

『どうだ、元気にしてるか?学校楽しいか?ダイエットなんかしてないだろうな!?最近の子は痩せすぎなのに太ってるなんて気にして…』

「お父さん相変わらずマシンガントークだね、返事もできないよー!」

お父さんのおかげで思わず笑みがこぼれた。

『ああ悪い、久々だから色々気になって。年末年始帰れなくてごめん。その代り来月あたり長く休みとれるから…どこか行くか!?』

「うん……」

『あ、でも梨々花はもうすぐ受験だから遊んでられないよな』

「あ…受験の事なんだけど…」

『うん。母さんから少し聞いたよ、南高受けたいんだってな』
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