いつも側で君を感じるから。

「うん…私ね、すごく大切な友達が何人かできたんだけど…その子たちと一緒の高校に行きたいの。でも…」

お母さんが近くにいるから、言いづらい。

知らんぷりして夕飯の支度をしているけど、絶対聞いてるだろうし。

『母さんもなかなか自分の考えを曲げない人だからなぁ……』

「お父さんはどう思う……？その……私が南高受けることについて」

『俺は梨々花がよく考えて決めたことなら、反対しないよ』

「うん……」

『高校生活なんて長い人生の中のほんの一瞬だからな、若いうちに色々経験して、楽しんでほしいと思うよ。頭の良い高校に入ることだけが全てじゃないから。でも時には勉強もしなくちゃないけどな？父さんも高校時代は遊んだけど、やるときはやったし。メリハリつけていけるっていうなら賛成だよ』

「ありがとう。もちろん勉強も頑張るつもりだよ、約束する」

『そうか……梨々花が自分の意思で決めることなんて、あまりなかったもんなぁ……よほど良い友達に出会ったんだな』

「うん」