いつも側で君を感じるから。
『母さんもわかってるはずだけど……頑固で意地っ張りのところもあるからなぁ…母さんと喧嘩するとめんどくさいよな』
「あははっそんなこと言っていいのぉ?」
『今のは内緒だぞ。じゃ……また帰れる日わかったら連絡するから。母さんと仲良くな』
お父さんとの電話を終え、私はお母さんがいるキッチンの方へと向かった。
自分から話を切り出すのは勇気がいる。
「お、お母さん……」
私の呼びかけに、お母さんの目線が私の方へと向けられた。
「その……色々心配かけてごめん……。でも私、人として恥ずかしくないように生きるから。勉強も頑張る。だから高校だけは行きたいところに行かせてください」
お母さんに生まれて初めて頭を下げた。
でも……やっぱりちゃんと認めてもらってから受験したい。
するとお母さんの口からため息が漏れた。
「梨々花がこんなに自分の意見を曲げないのは初めてね……」
「うん……」
「私はね、一時の気の迷いで判断してほしくないって思っていたの」