いつも側で君を感じるから。


「一時的な感情で決めたわけじゃない。よく考えたし、絶対後悔しないよ」

お母さんは私の顔を見てふっと微笑んだ。

私に向けて笑ったのは何か月ぶりだろう。

「そこまで言うなら、私の負けね…」

「お母さんっ」

「私ね、あなたが変わってしまうんじゃないかって少し怖かった。小さくていつも私の側にいたあなたが離れていってしまう気がして」

「私は変わらないよ。家族も大事だし。でも…他にも大切な人達ができて…」

「うん、わかってる。こうやって少しずつ大人になっていくんだものね…。でも遊びに行くときはちゃんと連絡しなさい、心配だから」

「うん……今までごめん」


少し照れくさいけど、ほっとして。

やっとお母さんに自分の存在を認めてもらえた気がした。

その夜、お姉ちゃんに服を借りることができ、私は早めにベッドに入った。

それなのに明日の事を考えると全然寝れない…。


さっき新くんからメールがきて、明日どこに行きたいか聞かれた。

『動物園』なんて答えちゃったけど、子供っぽかったかな……。

新くんって見た目大人っぽいし、私もそんな風に見られたい。

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