いつも側で君を感じるから。


翌日は澄んだ青空でとても綺麗だった。

だけど、すっごーく寒い!

私のバカ…冬に動物園って…。

「ごめんね新くん…」

入園券を買う時、私がぼそっと呟くと、新くんが横から私の顔を覗いた。

「え?なんで謝んの」

「だってこんなに寒いのに動物園なんて…」

「俺すげー楽しみだったよ」

「うそっ…」

そんなはずない、きっと私に合わせてくれてるんだ…。

「寒かったらくっついてりゃいいでしょ。手繋げば暖かくない?」

そう言って私の右手を掴んで歩き出した。

心臓が飛び出そうなくらいドキドキしている。

手を繋ぐのは初めてじゃないけど、全然慣れない。

こうやって隣に並んで歩ける日がくるなんて、夢みたい。

土曜日の動物園は家族連れも多く、混みあっていた。

「うさぎにエサやれるってよ」

「えー!やりたいやりたい!」

私の顔を見て新くんが微笑んだ。
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