いつも側で君を感じるから。


「いや、この食ってるうさぎ何かに似てると思ったら、この前たい焼き頬張ってたりりに似てんだわ」

「ええ!こんな必死に食べてた!?」

「ん。小さい口でめっちゃ必死だった」

「えー!!」

どうしよう、あの時考え事してたから…気づかなかった!

「可愛かったよ、食ってるとこ」

うさぎを撫でながらそう言ってくれる新くんの顔を、私は見つめてしまった。

〝可愛い〟だなんて、嬉しいことサラッと言っちゃうんだよね…。

あー、今顔赤くなってそう。そういえばメイクも直してない。

「ごめん、ちょっと御手洗い行ってくるね」

私は急いで近くにあったトイレに入って鏡を見た。

メイクは崩れてないけど…やっぱ顔赤いかな。

赤面症なところがあるから嫌だ。

気持ちを落ち着かせてから新くんの元へ戻ると、誰かと話をしていた。

オシャレな女の人が2人…。

知り合い?

胸の奥がモヤっとしてしまう。
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