いつも側で君を感じるから。
「ボサボサじゃなくて、オシャレなのー!」
「まったく、第一印象が大事なんだからちゃんとしてちょうだい」
「わかってるよぉ」
第一印象が大事だからオシャレしてんじゃん…。
と、たまに意見が食い違う事もあるけど、一応仲良くやってる。
「お母さんもあとで行くからね」
「はぁい!またあとでね!」
鞄を持って外に出ると、ブワッと春の暖かい風が吹いた。
初日はみんなと学校の門のところで待ち合わせの予定だ。
それなのに、最寄駅の改札付近に見覚えのある横顔があった。
「新くん!?」
私もつい大声になってしまった。
こっちを見た新くんは、なんだかまた一つ大人になったような笑顔を見せてきて。
南高のブレザーが新鮮…かっこいい!
胸がきゅーんと熱くなる。
「どうして!?門の所で待ち合わせじゃ…」
「アイツらより先にりりの制服姿見たかったから」
朝からこんな可愛いことを言ってくる。
「新くん…制服似合うねっ髪色も変えた?」