いつも側で君を感じるから。


「ん?なんか機嫌悪い?」

陽太くんが新くんの肩に手を掛け、顔を覗きこんでいる。

「別に?」

「いやいやいや!ぜってー機嫌悪い!」

「んなことより、りりがお前らに言っときたいことあんだって」

「え?」

みんなが一斉に私の方を見る。

え…どうしよ、こんな感じで言う予定じゃなかったけど…。

でも今言っとかなきゃ…。

「あの…私達が付き合ってること、しばらく内緒にしててほしくて…」

「えー、なんで!?」

泉が横から声を出す。

それと同時に新くんが一人先に歩き出してしまった。

それを見ていた陽太くんや智大くんが「あー…なるほど」と、状況を理解したようで、新くんの後を追いかけていった。

「新が機嫌悪い理由はそれか」

光喜くんが私に言う。

「うん…多分」

「新さ、りーちゃんと付き合えて本当に嬉しそうだったよ。一緒に高校に行くのだって楽しみにしてたし。確かにアイツと付き合ってるってなると、周りの目も気になると思うけどさ、もうちょっと考えてやってほしいな」
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