いつも側で君を感じるから。


「私のことみなみって呼んでいいよ、名前なんだっけ?」

「あ、梨々花だよ。あだ名は〝りり〟とかかな…」

「りりね!顔が可愛いだけじゃなく名前も可愛いんだ!」

満面の笑みで私を見つめるみなみさん。

無邪気な笑顔が可愛いな…人懐っこいし、新くんの元カノじゃなければ仲良くなりたいタイプだけど…。

みなみさんを見ると、どうしても新くんの顔がちらつく。

すごい良い子そう。新くんの元カノって感じするなぁ。

彼女が私で本当にいいんだろうかと思ってしまう。



クラスで簡単な自己紹介が始まり、新くんの番がやってきた。

少し怠そうに立ち上がると「市川新です、よろしく」と低い声で言い、頭を下げた。

新くんが同じクラスにいることが不思議…。

それを見ていたみなみさんが私の方を振り返り、「今の子も私と同中なんだっ」と言ってきた。

「そ、そうなんだ…」

「ああ見えて、結構良いヤツなんだよ~」
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