いつも側で君を感じるから。


「うん、てか気にしないでよ!」


「だって…りりは新と帰れないでしょ?あの状態じゃ…」

泉が友達に囲まれている新くんの方をチラっと見る。

「うん…そうだね…」

あの様子じゃ新くんと帰るなんて当分無理なんだろうな…。

みなみが新くんのすぐ隣にいて、楽しそうに笑っている。

これじゃどっちが彼女なんだか。

「はぁー…」と、重いため息が漏れたが、気を取り直して泉の方を見た。

「とにかく!私は大丈夫だから心配しないっ!萌乃と帰るし、泉は気にしないで光喜くんと楽しんできなー!」

心配そうに見つめてくる泉の背中をぐいっと押した。

「うん。じゃ萌乃にもよろしくねっ…」

笑顔で泉を見送った。

ああ。すぐ近くに大好きな人がいるのになぁ…。

なんだか、中学の頃よりも遠くに感じるよ。

ここに一人でいるのも虚しいし、萌乃のところに行こう。

萌乃は慣れないクラスのせいで体調を崩して途中から保健室で寝ているらしい。

前から精神的に弱いところがあるからな…。
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