いつも側で君を感じるから。


「あ、そう。ま、言うだけタダだしな」

ムカつく…。一発殴ってやりたい。

握った拳に力が入る。

「じゃ、あんたが俺の女になる日を楽しみにしてっから」

笑いながら背を向けて去って行った。

四宮一輝…その自信はどこからくるの?

さっきはムカついて負けないなんて言っちゃったけど、いくら新くんと八雲さんが強くても、KINGと喧嘩したらどうなるかわからない。

一気に不安が襲ってきて、心臓がバクバクし始めた。

私がやめてと言ったって無駄だろうし…。

そんなことはわかってるけど、新くんに会って話がしたい。

気まずくなってる場合じゃないよね。

スマホを見ると、萌乃からメールが来ていた。

〝寝たら調子戻ってきた(笑)心配かけてごめんね、親が迎えに来てくれるから先に帰ってていーよ★〟

なんだ、そうだったんだ…。

でも元気になったみたいで良かった。


下校時間はとっくに過ぎていたので、校舎内は静かだった。
< 206 / 274 >

この作品をシェア

pagetop