いつも側で君を感じるから。


新くんはもう帰っちゃったよね…。

今から会って話したいけど、電話しても大丈夫かな。

教室までの道のりを、スマホと睨めっこしながら歩いていると、聞き覚えのある声がしてきた。

この声って…新くん?まだ帰ってなかったんだ!

そっと教室の中を覗くと、新くんとみなみが2人で向かい合っていた。

え…何この状況。

どうして二人っきり…。

「紺野のこと断ったって…」

「うん…」

〝紺野くん〟って…みなみとイイ感じだって言ってた人だよね。

告白されてたんだ。

「なんでだよ、お前らいい感じだったじゃん。初詣の時だって一緒にきてたろ?」

新くんは机に寄りかかる感じで立ち、みなみを見つめていた。

私が知らない2人の関係、空気。

胸の中がモヤモヤしてたまらない。
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