いつも側で君を感じるから。

新くんが1人で下駄箱に来た。

「新くん!」と声を掛けると、驚いた様子で私の事を見る。

久しぶりでもないのに、少し話さなかっただけで随分日にちが立っているように感じる。

「りり!ここでなにやってんだよ?」

そう言って、きょろきょろと周りを見渡した。

私がバレたくないって言ったから、気をつかってくれてるんだ。

「一緒に帰ろうと思って待ってた」

「え…ずっとここで?」

「うん…」

「そう…」

新くんが靴を履きかえて外に出たので、私もその後を追った。

「一緒に帰ってんの見られてもいいのかよ」

「うん…同じクラスだし誰も変に思わないよ…。それにもう誰もいないし…」

「確かにいねえけど…。勝手だな」


そう言ってふいっと顔を背けられたのが少しショックだった。

私から提案したことだから仕方ないのに。

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