いつも側で君を感じるから。


みなみといるのが辛くて、その場から逃げるように走っちゃった。

近いうちに言わなきゃって思ってるけど…言うタイミングが見つからない。

自販機の前でぼーっと飲み物を見てると、「りーちゃんっ」と呼ばれた。

振り返ると、八雲さんが黒い特攻服を身にまとい立っていた。

バクバクと心臓が鳴り始める。

ふたりっきりで話すのは、あのキスをされた日以来だったから。

「八雲さん…」

「んなビビんなよ、付き合えたんでしょ?良かったじゃん」

「ずっと聞きたかったんです。どうして…あの時キスしたんですか?私ショックで…」

「あ、マジ?そんな嫌だったなら謝るわ」

八雲さんが軽く頭を下げる。

「初めてだったのに…」

「ごめん、ふたりを見てたらもどかしくて。煽ったってのもあるけど…りーちゃんが可愛くてついしてしまったんだよね」

謝ってくれてるけど、悪びれてる様子もないような…。
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