いつも側で君を感じるから。
すごい悩んでいたのに、なんだか拍子抜けしてしまう。
「新のケツも叩いてやったし、ふたりが付き合えたのは俺のおかげでしょ?」
「ほんのちょっとは八雲さんのおかげですけどね…」
子供っぽい無邪気な笑顔を見せる八雲さん。
キスをされた事はムカつくけど、なんか憎めない人なんだよね。
「で?せっかく付き合えたのに喧嘩してるわけ?」
「あー…喧嘩っていうのかな。私が付き合ってること学校のみんなに隠そうって言ったら怒っちゃって」
「ぶっ。それで最近苛立ってんの?アイツ」
「はい…やっぱり機嫌悪いですか?」
「んー。いつもよりは悪いかな?」
楽しそうに笑ってる所を見ると、どこまで能天気な人なんだろうって思う。
こっちは四苦八苦してるというのに。
「でもさ、そこの首のやつは最近のでしょ?」
八雲さんがニヤッと笑いながら自分の首を指さした。
「えっ」
キスマークが見られないように、襟が高めの服を着てきたのにばれた!?
さっきは誰も気付いてないよね!?
急に恥ずかしくなって顔が熱くなっていく。
「新もガキくせーことすんだな~」