いつも側で君を感じるから。


「ごめんね…」

「もう、それは謝んなくていい。それよりあの2人大丈夫なの!?」

みなみも背伸びして二人を見守っている。

人混みの間から、2人がまだ喧嘩しているのが見えた。

2人の顔から血が出ている…。

それなのに周りの人達はそれを面白がって。

もう、もう…我慢できない!


私は人混みをかき分け、再び二人の近くに行った。

それに気づいた新くんが「りり!くんなって!」と叫んでいたが関係ない。

「バカ!二人ともいい加減にしろアホ!」

今までこんな大声出したことない。

みんな驚き、一瞬にして辺りが静まり返った。

そして、八雲さんと新くんも同時に私を見る。

あ…さすがにバカアホはなかったか。

しかも八雲さんだっているのに。

一気に我に返り、青ざめた。


しかし、最初にその静寂をやぶったのは新くんだった。

「ぶっ。ハッハッハ…」

頬っぺたに傷をいっぱい作りながら、大笑いしている。
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