いつも側で君を感じるから。
すぐ近くで新くんが優しく笑う。
大好きだよ…。愛おしくて、離したくない。
だからこそ、ちゃんと話してほしいんだ。
新くんのすべてを。
「新くん、さっき八雲さんが言ってた事…話してくれない?」
「ん。いつかは話さなきゃないって思ってた」
「うん!聞くよ!どんなことでも…!」
両ひざに手をついて、正面から新くんの目をじっと見つめたら、ふっと笑ってくれた。
「あっちにいこうか」
私達は街灯に照られたベンチに座ることにした。
改まってこんな風に話すのってちょっと緊張するな。
新くんは一つため息をついてから、静かに話し始めた。
「俺のね…親の事なんだけど……」
…それは想像を絶する出来事ばかりで。
世の中にそんな親が存在していることに驚きと、それが新くんの本当のお父さんなんだという衝撃が重なり…私は言葉を失った。
頷くこともできずに、ただじっと聞いていた。