いつも側で君を感じるから。


「小さい頃の新くんも抱きしめてあげたい。頑張ったね、でももう無理しないでいいよ、泣いていいんだよって…言ってあげたいよ」

微かにだけど、新くんの体が震えているのを感じた。

泣いているの…?

うん。それでいいんだよ。

私が新くんの泣ける場所になれたら…嬉しいよ。


「父親と分かりあいたいとも思わねーし、これから先も一人で生きていくつもりだった。こんな俺で…りりはいいのか?」

「そんなの、いいに決まってる!新くんがどんな道に進もうが、私はその隣で支えていく!」

新くんが私の顔を見つめる。

綺麗な瞳の中には、私の姿が映し出されていた。

「梨々花……」

「憎しみも苦しみも全部私が包み込むから。自分をこれ以上傷つけたりしないで。新くんと私は一心同体だと思って?新くんが傷ついたら、私も同じくらい傷つくんだからね?」

「…りりって、思った以上に強いな」

「え?」

「こういう話聞いたら、一瞬にして俺の前から消えちまうんじゃねーかって思ったりした」
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