いつも側で君を感じるから。
守りたいもの-side新-
-SIDE ARATA-
りりを抱きしめている時、あまりにも温もりが優しくて涙が出た。
不思議と懐かしさを感じ、遠い昔俺をこんな風に抱きしめてくれた人がいたことを思い出した。
自分にそんな優しい思い出なんてないと思っていたけど、りりが思い出させてくれた。
よく泣きながら俺を抱きしめてくれた人。
母ちゃん、今どこで何しているのかわかんねぇけど、きっとあの頃より幸せだよな…?
俺だって、こんな風に人を好きになるなんて想像もしていなかった。
守りたいやつがいるって、こんなにも幸せな事なんだと、初めて知った。
俺の腕の中にすっぽりと収まるりりは、体は小さいけど芯が強い女で。
こんな子に出会えたってことは、俺の人生も捨てたもんじゃなかったってことだ。
この子を一生守っていきたい。
りりの笑顔を見て強く思った。