いつも側で君を感じるから。
「ほぼ喋った事ねえ、か。なのになんであっちはそんなに…」
大河が何か考えながら俺らの方を見る。
「りーちゃん。今日はりーちゃんにも話しておきたいことあったから呼んだんだよ」
「えっ。は、はい…」
「KINGとの決闘の日が今度の日曜の夜に決まった。最初は頭だけのつもりだったんだけど…あっちが四宮を連れてくるッつーんだよ。そんで、そいつがお前を指名してる」
「へぇ…上等」
俺を指名してくるとか、いい度胸してんな。
りりが少し不安そうな顔で俺を見た。
「この世界に入るって決めた時からこういうの覚悟してたから。それにりりが心配するほど俺弱くねぇよ?」
心配させないよう笑ったのに、りりの表情は晴れない。
大河がペットボトルのお茶をゴクリと飲んで言った。
「白龍は普段、喧嘩とかに首突っ込んだりしない。俺とか上のヤツは絡まれたらしょうがなく相手してやる時もあっけど、基本そういうのは禁止にしてる。なんでかわかる?」
りりが「わかりません……」とつぶやく。
「簡単なことだよ。仲間が大事で傷つくとこ見たくないから。下手したら死ぬことだってあるしな、そういうので仲間を無駄死にさせたくねんだよ。他のチームからは情けねーとかだせーって思われっかもしんねーけど、別にいい。ダチと楽しく走れれば。ただね、たまにKINGみたいに俺らのやってることが気に食わなくて邪魔するやつもいるわけでさ。そういう奴らとは喧嘩慣れしてる俺らなんかが相手したりする。白龍を守るために」