いつも側で君を感じるから。



「よそ見してる余裕あんのかよ!」

再び四宮の右ストレートが俺の顔面を斜めに横切った。

へぇ、噂通りなかなかやるな。

でも、俺の方がまだ早い。

薄暗い中、俺は四宮との殴り合いを楽しんでいた。

しばらくすると四宮の息が上がってきたが、俺はまだ余裕があった。

何発か食らったが、こんなの屁でもねえ。

親父に鍛えられたっつったらしゃくに障るが、あの頃の痛みよりははるかに楽なものだ。

大河と稲垣は互角な戦い。やっぱあの稲垣ってやつは手強そうだな。

「だから…よそ見してんじゃねーよ!」

腹を蹴られ、地面に倒れこんだ。

そして四宮が俺の上に馬乗りになり、がむしゃらに俺を殴り続けた。

四宮の顔は傷だらけで血が俺の顔面に滴り落ちていた。

俺を殴る力が徐々に弱まっている。

こんなパンチ、いくら受けても平気だ。

「くっそ…俺が負けるかよ!」






< 248 / 274 >

この作品をシェア

pagetop