いつも側で君を感じるから。
「よそ見してる余裕あんのかよ!」
再び四宮の右ストレートが俺の顔面を斜めに横切った。
へぇ、噂通りなかなかやるな。
でも、俺の方がまだ早い。
薄暗い中、俺は四宮との殴り合いを楽しんでいた。
しばらくすると四宮の息が上がってきたが、俺はまだ余裕があった。
何発か食らったが、こんなの屁でもねえ。
親父に鍛えられたっつったらしゃくに障るが、あの頃の痛みよりははるかに楽なものだ。
大河と稲垣は互角な戦い。やっぱあの稲垣ってやつは手強そうだな。
「だから…よそ見してんじゃねーよ!」
腹を蹴られ、地面に倒れこんだ。
そして四宮が俺の上に馬乗りになり、がむしゃらに俺を殴り続けた。
四宮の顔は傷だらけで血が俺の顔面に滴り落ちていた。
俺を殴る力が徐々に弱まっている。
こんなパンチ、いくら受けても平気だ。
「くっそ…俺が負けるかよ!」