いつも側で君を感じるから。


そして「ゲホッ」という咳をしながら血を吐いた。

もう一発殴ろうとしたその時、背後から稲垣が叫んだ。

「四宮ぁ!そろそろ行くぞ……!」

稲垣が四宮にそう言いながら目くばせする。

急になんだよ、行くって…。

「おい!どこに行くんだよ!逃げる気か!?」

俺が問いかける前に大河が叫ぶ。

俺の手の力が緩んだすきに、四宮が起き上り突然走り出した。

そして稲垣も大河から逃げるように国道に向かって走り出す。

「は!?急になんだよ!」

大河と一瞬顔を見合わせ、俺たちも後を追う事にした。

どういうことだよあいつら…途中で逃げんのかよ!

「待ちやがれてめーら!」

四宮たちは俺たちの声に振り返りもせず、階段を駆け上り停めていた自分達の単車にまたがる。

「大河、どうするよ!?」

「追うしかねーだろ!」

俺と大河も単車に乗って2人の後を追った。





後から思えば…。

俺はバカだったかもな。

でも俺がとった行動に悔いはねえよ。


だから、りり。


もう泣くな。
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