いつも側で君を感じるから。


振り向いた新くんのお父さんは苦笑いをしていて。

「私は統合失調症なんだ」

「とうごう…?」

「精神病のひとつでね。急に叫んだり暴れたり、どうも自分じゃセーブできない。離婚したあとに酷くなって。新を見ると自分を止められなかった」

「んなこと…新は知らねえんじゃ…」

八雲さんも驚いた様子だ。

まさか病気のせいだったなんて…。

「子供に言えるわけないだろう…。このままでは人殺しになるって…息子を殺してしまうだろうって、何度も命を絶とうと思ったよ。だけどそのたびに今の妻に支えられてね、こんな私のことを救おうとしてくれてた」

私たちは何も言えなかった。

きっとその苦しみはなった人にしかわからない。

新くんのお父さんは想像以上に辛かったんだと思う。

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