いつも側で君を感じるから。

「新がやめんなら俺もやめる」

「俺も―!もう今回の事でビビっちゃったわ!」

2人もそう言ってくれて、私も嬉しくなった。

あんな危ない事、みんなにはもう二度と味わってほしくない。

「……じゃそろそろ帰るか?2人の邪魔しちゃわりぃし」

「えーっまだちょっとしかいないのにー!」

陽太くんが顔を膨らましているけど、新くんが手で追い払うそぶりを見せた。

「そろそろ気ぃきかせろよな」

「はいはい、またねりーちゃん!」

私も手を振り、2人がドアを閉めた瞬間……ぐいっと手首を引っ張られた。

「え、ちょっと!」

私はベッドに倒れこむ形になり、上から新くんが見下ろしてきた。


「やっと二人っきりになれた」

「う、うん…そうだね」

昨日新くんが目覚めたときは、泉と萌乃もいてくれたから、最後までふたりっきりになることなく帰った。

久しぶりだから近づきたい気持ちはわかるけど…。




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