いつも側で君を感じるから。
「ぶはっ」
テンパってたら笑われた。
え、冗談…?
「新くん…馬鹿にしてる!?」
「してねーしてねー。りりが可愛すぎるから」
そう言って笑う新くんを、私はすぐに許してしまう。
「わかった。じゃあそれまでリハビリ真剣に頑張るわ。そっこー退院してやる」
そっこー退院!?それも心の準備がっ……。
なんて言えるはずがない。
私の頬をぶにっと伸ばした。
「この雪見だいふくも片方しか伸ばせねぇの悔しいもんな」
「っもう!」
「じゃあこれは許して?」
そう言って私の頬をパクリと噛んできた。
「うまいわー」と言って笑ってる。
「美味しくないでしょ!」
「いやほんと……俺、階段から落ちる時生きたいって思ったもんな」
「落ちる瞬間覚えてるの……?」
「うん。今回の喧嘩は簡単じゃねーけど、勝敗は見えてたし死ぬことなんて絶対ないって思ってた。だからあんなことで死んでられねーよって落ちながら考えててさ、りりと生きたいって……それだけを思ってたんだよ」