いつも側で君を感じるから。
白龍
5月の夜はまだ肌寒くて、時折吹く風は身震いするほど冷たい。
私は今、泉と萌乃の3人で白龍の集会に来ている。
ギャラリーもすごい数だし、数十台のバイクに車高が低い車も沢山いて、見るものすべてが新鮮だった。
「うちのお兄が言ってたけどさ、中学生で白龍に入れるのは異例だって言ってたよー!」
泉が大声で言ったが、バイクのコール音が凄まじくて会話がたまに聞こえなくなる。
隣にいた萌乃は「すごーい!早く見たーい!」と興奮していた。
萌乃の家は厳しいけど、今日は私の家で勉強会という名のお泊りをするという嘘をついて、ここに来たらしい。
私はまた家族が寝静まってからこっそり抜け出してきた。
この前の夜遊びもバレなかったし、今日もなんとかバレずにすみそう。