いつも側で君を感じるから。
家に帰ったら鬼のお母さんがいると思うと憂鬱すぎるけど……。
私の家は、県外に単身赴任中のお父さんと、2個年上のお姉ちゃん、そしてフルタイムで仕事しているお母さんの4人家族。
お父さんはほとんど家にいないから、女手一つで育ててきたこともあって、お母さんは私たち姉妹にとても厳しい。
中学まで親に反抗したことがなかった私だけど、最近意見が食い違うお母さんと喧嘩ばかりしている。
「はぁ」とため息をつき、泉たちのところへ戻ろうとした時。
目の前に一人の男が笑って立っていた。
口ピアスに赤い髪の毛の彼は、笑っているけどなんだか目が定まっていない。
え、同じチームの人……だよね?
「あのさぁ~あっちでぇ、花火やんだけどぉ、こねぇー?」
指さした先には、数人の男女が花火している。