いつも側で君を感じるから。
八雲さんが睨むと、男は怯えながら一礼して小走りに行ってしまった。
さっきあんなにへらへらしてた人が一瞬で…さすが総長だな……。
じっと見てると、八雲さんと目が合ってしまった。
しかし、さっきまでの鋭い目つきではなく、優しく微笑んでくれる。
「ごめんな?怖がらせたろ」
「い、いえ……」
「アイツ、前からクスリやってんだよ。うちは一切そういうの禁止にしてっからさ」
「そうなんですか……」
初めて近くで見たけど、笑うとまだ少し幼さが残っている。
年上といっても私たちとたいして変わらないんだもんな…。
新くんが私の方を見た。
「てかさ、なんで一人でここにいんの?他の奴らは?」
「ちょっと私、電話してて……」
「アホかよ、あぶねーだろ。今日とかいろんな奴混じってんのに」
少し呆れた口調で言われ、ショックを受けた。
なんか迷惑かけちゃったかな……。