いつも側で君を感じるから。
「新、そんな風に言うなよ~『アホ』はねーだろぉ。なぁ?」
八雲さんが新くんの肩に手を回し、私を見下ろした。
「いや、だって実際危ない目にあってるし」
「へぇ、新が女のことでそんなに心配するとはね」
そう言って、再び私の顔を見てくる八雲さん。
「トモダチなんだから当たりまえでしょ」
「ぷっ。そうか、友達ねぇ……友達にしとくにはもったいねぇ子だけどな?」
八雲さんが屈んで私の顔を覗きこんだ。
距離が……近い!
急に八雲さんが近づいてきたので、思わず身を引いた。
「おい、大河(たいが)!」
新くんが八雲さんの肩を力強く引っ張る。
「ハハッわりぃー冗談!」
「ふざけんなよっ」
「新がムキになってんの可愛いな~」
「てめぇ……」
「気に入ったよ、えーっと……誰ちゃんだっけ?」
「梨々花です…」
「あ、りーちゃんって子か」
私が頷くと、八雲さんはフッと笑った。