いつも側で君を感じるから。


「男としては?」

「え!?」

「恋愛感情はゼロ?」

「ぜ、ぜ、ゼロ……です!」

動揺してるのバレてるよね……。

でも八雲さんは気づいてないのか「そっか」と呟いた。

意外。もっと突っ込まれると思って覚悟していたのに。

するとデンモクをいじりながら…

「よかった。俺りーちゃんのこと気に入ってたし」

と、サラッと言われた。

「え……?」

目が点になっていると、再び八雲さんが私の方を見る。

「聞こえなかった?俺りー……」

「きっ聞こえてます聞こえてます!」

思わず大きな声を出してしまい、向かい側の2人も一斉に私を見た。

新くんには聞こえてない…よね、今の!

てか…八雲さんが私を気になってるって…なんで!?

からかってるだけ!?

「ぷっ」と隣で八雲さんが笑う。

「かっわい~ほんと、面白っ」

「えっ……」

慌てふためいてる私を横目で見ながら、「ちょっと便所」と部屋を出ていった。

笑いながら出て行ったし、やっぱり嘘だったの?

< 74 / 274 >

この作品をシェア

pagetop