いつも側で君を感じるから。


お会計を済ませて外に出ると、辺りは薄暗くなっていた。

店の前では若い子達が沢山集まっていて、みんな今から中に入るのか、ワイワイと盛り上がっている。

その横を通り過ぎた時、一組の団体に声を掛けられた。

「おい、星北高の八雲じゃねーの?」

振り返るとちょっと怖そうな男が3人、こっちを睨んでいる。

「やっぱそうだ。うちの後輩を派手にやってくれたそうで」

八雲さんにジリジリと迫って行く男。

しかし八雲さんは「は?誰?」と覚えていないようだ。

「ふざけんなよてめぇ!すっとぼけやがって!」

「あー、もしかして西高のひょろ長くてイキはよかったけど、一発でノックアウトしちゃった残念な奴の先輩方?」

「てめぇっ!」

男が八雲さんの肩を掴もうとしたが、それをすぐに片手で止めた。

「最初に喧嘩売ってきたのはそっちだったから。俺は相手してやっただけだし」

「くっ……」
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