いつも側で君を感じるから。
陽太くんがその場を離れようとした時。
「陽太ぁ、俺がりーちゃん送るから」
八雲さんが私の側に来て言う。
「えっ、でも俺…新に送るように頼まれてて…」
「単車で来てるし。チャリより速いっしょ」
八雲さんに言われ、陽太くんは黙ってしまった。
どうしよう、陽太くんの家って確か私んちの反対方向だったしな…。
「あの……じゃあ申し訳ないけど八雲さんに送ってもらいます」
「そうこなくっちゃね~」
八雲さんは上機嫌にバイクの方へと歩いて行った。
「りーちゃん……大丈夫?」
陽太くんがこそっと私に耳打ちする。
「うん、大丈夫。陽太くんありがとね」
「八雲さん、俺らには良い人だけど……たまに何するかわかんねー時あるからさ。なんかあったらすぐ俺か新に連絡して」
「アハハ平気だよぉー」
心配させないように笑ってみたものの、少し不安だった。
2人っきりっていうのが。