いつも側で君を感じるから。
あの時はずーっとドキドキしっぱなしだった。
八雲さんも素敵な人だけど、ドキドキはしない。
やっぱり、私は新くんが好きなんだ。
見慣れた街並みを通り抜けた後、なぜか家とは逆方向に向かって走っていた。
え…ウチこっちじゃないんだけど…。
乗る前に言ったのに……八雲さん間違ってる?
「あ、あのー!」
声を掛けても振り向いてくれない。
うるさくて聞こえていないのかも…。
どうしようと思いながらも辿り着いたのはとても広い公園だった。
木が生い茂っていて所々にベンチもある。
街灯も少なく、夜はちょっと不気味な雰囲気だ。
どうしてこんなところに…。
不安に思っていると、バイクは公園の入り口で止まった。
「ちょっと散歩しない?」
「え!?」
「時間まだ大丈夫でしょ?」
「まぁ……」