いつも側で君を感じるから。


本気なの!?

からかってるだけじゃなかったの!?

八雲さんの顔を見ても、全然読めない。

どうして私なんかを……!?


「ご……ごめんなさい……」

「なんで謝んの?好きな奴いないなら俺と付き合っとけばいーじゃん?絶対楽しいよ?それとも頭の女になるのが嫌だ?」


物凄い軽いんですけど……。

黙っていると突然グッと右腕を掴まれ、八雲さんの顔の近くまで引き寄せられた。

「なっ……」

そして一瞬、柔らかい感触が口に当たる。

え……い、今の……。

呆然としていた私の顔を見て、八雲さんは目を細めた。

「イライラすんだよね」

「えっ……」

唇に手を当ててみる。

私、今八雲さんとキス……しちゃったの?

両手で口を押えて、その場から動けずにいた。

「送ってく」

私の腕を再び強引に掴み、バイクが止めてあった場所まで連れて行かれた。

荒々しい感じがちょっと怖くて、私もずっと黙っていた。

心臓はバクバクと嫌な音を立てたままだ。
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