いつも側で君を感じるから。


俺の顔がだんだん母親に似てくることが、親父は気に入らなかった。


家に帰ってくる度に酒を飲んでは暴れ出し、まだ力がない俺に暴行する毎日。


体には常に無数のアザがあった。
二の腕にはタバコの火を押し付けられた跡も未だに残っている。
もちろん、服を着ていればわからない場所に。


時にはウォークインクローゼットの中に全裸で数日間閉じ込められたこともある。


もしもこのまま、ここで俺が餓死したら親父は一瞬でも悲しんでくれんのかな。

俺はそんな馬鹿なことを、暗闇の中で考えていた。

なんて惨めなんだろう。

でも親父は俺を死なない程度に痛めつける。

それが俺にとってどれ程地獄だったか、知る由もねぇだろうな。



誰か、早く俺を殺してくれよ。



殴られて意識を失っても、親父の病院で目が覚める。

親父は俺を死なせてはくれない。


義母が来てからも俺に対する態度は変わらずで、義母もそれを容認しているようだった。

最低なヤツら。


もうコイツらの世話にはなりたくねぇ。

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