いつも側で君を感じるから。
しばらくして、ポケットに入れていたスマホが鳴ったのでメールを開いた。
「っつ……いってぇ……」
腕を動かすたびにズキズキと痛みが走る。
「ヤルならハンパにやんなよなぁ…」
殺す覚悟もねえくせに。
陽太たちは駅前のカラオケにいるらしい。
「大河も来てんのかよ……」
気分じゃないけど、大河が来てんなら行かないわけにはいかない。
俺は重い腰を上げて立ち上がった。
店に入るなり、周りの客に白い目で見られる。
まぁ、そうだよな…こんな顔じゃ。
「新!おせーぞって……なんだよその傷!」
陽太が俺の顔を見るなり、血相を変えて近づいてきた。
「アハハ、わりぃ。前に喧嘩したやつと出くわして」
「マジかよ…お前がそんな負傷するとか。大人数だったん?その傷の多さは…」
陽太が俺の全身を眺める。
いつも相手が数人くらいならここまで傷を負わない。だから大人数で攻められたと思ったんだろう。
「まぁ……な」
「どこのヤツら?そーゆー時はすぐ言えよ!」
「…わりー。そんな余裕なくて」
陽太の後ろで、りりが不安そうな顔をしている。
あー、こーいうの見慣れてねんだろうな。