あなただけ。
私のお母さんは私が中学校の時に亡くなった。
原因は乳がん。
発見された時にはもう末期で手の施しようがなく、余命3ヶ月を宣告された。
人の命ってこんなに脆いものなんだと知った瞬間だった。
いつも笑顔でみんなを元気にしてくれたお母さん。
最期に私の手を握って、
「るう…これから、たっくさん辛い…こと、あると思う…。でも、ね、笑いなさい…辛い時こそ、笑顔を忘れ、ない、で…わかった…?」
途切れ途切れの言葉を私に伝えてくれた。
「お母さん!わかった!わかったから、いかなぃでぇぇぇっ!」
必死に叫んだけれどお母さんは目を閉じたまま帰ってきてはくれなかった。
だから私はお母さんの分まで人生を楽しむために笑顔を忘れないことに決めたの。
お母さんがいなくなってとても悲しかったけれど、もう悲しくない。
だってお母さんは空から見守っててくれてるから。
見ててね、お母さん。