あなただけ。
「幼なじみの存在」




入学式を終えて初の登校日。



ドキドキしながら教室のドアを開ける。

ガラガラッ!

シーン。


「…」
「…」
「…」


(え、なにこの空気。)


私が教室に入った瞬間静まり返る教室。



みんなの視線が私に集中してる気が…。



「おはよ。るう。」



その沈黙を破ったのがりえ。助かった〜!


それを機にみんなまたざわつき始める。


ほっ。よかった〜。



「え、あの子だれ⁈」
「可愛すぎない⁈」
「モデルなんじゃね⁈」
「やべぇ、俺一目惚れしたかも…」



「え!りえ!このクラスにモデルいるの⁈だれ⁈サインもらわなきゃ!」



「はぁ…まったく…。あんた変わってないわね。」



「え、なにが?」


「…もういいわ。」



なにがなんだかわかんないけどとりあえずモデルの子を探そうとした時、



ガラガラッ


「キャァァァァァァァッ!!!!!」


えっ⁈なにごと⁈


視線を悲鳴の先に向けると…



「ってなんだ、たくちゃんか。」


そこには私の幼なじみでお隣さんの岡 匠(おか たくみ)がいた。私はたくちゃんって呼んでる。



たくちゃんは、とってもイケメンで、優しくて、運動神経よくて、頭よくて、すごく背が高くて…って言ったらきりがないくらいすごい人なの。




お母さんがなくなった時もずっと隣で支えてくれた人。



「…ちっ。…るせぇな。」



その言葉に周りは凍りつく。




…優しいんだよ、ほんとは。うん。そのはず。









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