エキストラヒロイン
こんなはずじゃ。
「その手紙、読んでもいい?」
「あっ…はい…、ドウゾ…」
本当はもうこんなゴミみたいな紙切れを読ませたくなかったけれど、どうにでもなっちまえと来栖くんに渡す。
来栖くんは受け取るなり、無言でラブレターを開けて、真剣な眼差しであたしが書いた文章を読んでいた。
「ふーん。ずっと俺のこと見ててくれたんだ」
「そ、そう!そうなの!ずっと来栖くんのことかっこいいなって思ってて!あたしみたいなのがっていうのはわかってるんだけど、やっぱり好きだから諦めたくないなーなんて!」
「…俺のどんなところが好き?」
思いがけない質問に、頭が真っ白になる。
「え!?あ、えっと、かっ…かっこいいところと、身長が高くて、頭も良くて、スポーツ万能で、完璧っていう言葉がぴったりで!同い年って信じられないぐらい紳士だし、とにかく初めて見た時から好きなの!」
恥ずかしさで腹筋がびくびく痙攣してるけど、とりあえず挙げられるだけの理由は言い切れた。
「完璧、ね」
「うんっ」
「いいね、そんな人がいたら」