幼い双子の物語【箱庭の世界番外編】
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「ねぇ、ねぇ、なにしてるの?」
そう声を掛けられたのは入院して丁度一週間が過ぎた頃のこと。
「ねぇ、ちょっと」
ある夏の熱い日。
熱中症で倒れ病院に担ぎ込まれた私は元々虚弱体質だったこともありそのまま入院。
退屈な日々を過ごしていた。
「聞いてる?」
……さっきから話しかけてくるこの子は一体なんなんだろう。
ここは病院なのに。
「ねぇーったらー」
「……うるさい」
それでなくとも暑いのに更に鬱陶しい。
勝手に人の病室入ってきて勝手に喋って。
暑苦しいにも程がある。
「あ、やっと喋った」
ただ一言文句を言っただけなのにその子は太陽にも負けない笑顔を浮かべた。