ばいばい、津崎。
それからひととおり遊んで、私と美貴は休憩がてら海の家へアイスを買いにいくことにした。
選んだのはこの島でしか食べることができない淡いピンク色のスモモアイス。
アイスの中に細かく刻まれたスモモが皮ごと入っていて、クリームの甘味と弾けるような酸味のバランスが絶妙。小さなスプーンをもらい、すくうように口へと運ぶけど美味しすぎて手がとまらない。
「ヤバい、もうひとつ食べられそう」なんて、美貴と雑談しながら砂浜を歩いていると……。
「ねえ、ちょっといい?」と、見知らぬ人に話しかけられた。
それはふたり組の男の子。たぶん、大学生ぐらいだと思うけど島の人ではなさそう。どちらもハイビスカス柄の水着を着ていて、肌はこんがりと小麦色に焼けている。
「めっちゃ可愛いね!俺らと遊ばない?」
これはおそらくナンパというやつだ。
未来の私が声をかけられることといえば夜の仕事のキャッチぐらいだし、なんだかこういうのも久しぶりにされたような気がする。
「俺らレンタカー借りてきてるからドライブでもしようよ」
名前も知らずにドライブとか危険すぎ。そんな現実的なことを考えている私とは違い美貴は「えー」と、まんざらでもない様子。